地域と美術館 その2

ここ数年、瀬戸内を舞台にしてのアートイベントが話題となりました。ある程度のエリア、広さを持った地域の回遊型、参加体験ツアーの様相です。 参加したそれぞれの方々、感想を聞くと、<瀬戸内><島><船に乗る>という<非日常体験>を真っ先に仰る方が多かった様に思います。もちろんこれらは、日常的に瀬戸内海に接していない方々、都会の方々メインの話ではあるのですが、それでも地元の中にも同様の感想をお持ちの方は多かったように思います。 ※画像はアゲハ、収穫の終わったミニトマトにとまっていました。 先日、塩飽諸島(香川県側)で東京の美大生、長期滞在体験制作という話を聞きました。 ちょっと興味を持ったので、調べてみました。 四国新聞社 記事 塩飽諸島で芸術家育成/東京の美大生受け入れ この夏、本島、広島(※県名ではありません)、手島といった島に大勢来ていたのだそうです。地図を表示してみればわかる通り、瀬戸大橋のすぐ西、岡山県側の倉敷、水島が間近なエリアです。 このあたりの夕日、島影、海。子供時代に訪れたこともあり、その当時の体験が蘇ってきました。アートは別にしても?ふたたび行ってみたいと思わせる何かがあるのです。 今回の企画自体、アートイベントとしてそのもの自体がメインというよりも、記事中に書かれた<<過疎化、高齢化が進む島の活性化や市の文化振興にもつなげる。>>といったあたりが主役の様に思います。 「瀬戸内国際芸術祭」での人の回遊、動き、感想>>>>都会の人々と地域を結ぶ地道な作業の始りのように感じられました。 一般的に、どうしても便利な都会へ、仕事のある都会へといった動きが強くなってしまいます。また通う大学の所在がその後の生活の場を決定づけることもあると思います。 若いときの体験、大学生活の時間、直ぐには結果は出ないかもわかりませんが、地方の良い所、「心を繋ぐもの」との出会いを作る作業が問われている様に思うのです。もちろん地方に育つ中で幸運にそのことに気付ける場合もあるでしょうが、だからこそそこで暮らす大人の役割も大きいと思うのです。もちろん行政の役割も。 魅力ある地域の記憶を作る装置としての施設 都会の人が誉めてくれる?認めてくれる、魅力を感じる自然であったり、 美術館、博物館、それもその地域ならでは...